一生旅行生活してえ

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【2020年】6月15日:派遣社員はテレワークができるのか?

1~2週間でネタが尽きて終わるかと思いきや、案外続けられるものである。今週やりきればちょうど1ヶ月?でも、ニュースのような一過性のネタの取り上げはほどほどにして、先日挙げた以下のような記事を書いていく方が、自分の思考整理ためにも良さそうではある。

コロナ禍でありながらなぜか株価が戻っている件についてわかりやすく解説

というわけで、またなんかのネタをまとめてみようと思う。書きたいネタは色々あるのだが、いかんせんインプットがまだ足りない。とりあえず今日は以下のニュースを挙げる。

派遣テレワークじわり

www.nikkei.com

 派遣社員の扱いというのはいつも微妙になってしまう。よくありがちなのが正社員と同等の仕事をしているにもかかわらず給料や福利厚生は正社員には及ばない水準になってしまうということで不公平感が募りやすい。それらを解消するために、今年の4月から同一労働同一賃金がスタートしたわけだが、これを導入したからといって、先述のような不公平感が解消されるかというと、残念ながら解消されない。このあたりの話も書いていきたいが長くなりそうなので、一旦この場はこの記事にあるような派遣テレワークについてのみ、焦点を当てる。

 まず、自分もこれを機に改めて理解したのだが、派遣社員のテレワークそのものは許されている行為であり、厚生労働省からも以下の通りFAQを開示している。

https://www.mhlw.go.jp/content/000620808.pdf

この資料を見ると

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、テレワークが有効な対策の1つであり、派遣労働者についても、派遣先が自ら雇用する労働者と同様に、積極的なテレワークの活用をお願いいたします(※)

(※)派遣先での派遣労働者に対する指揮命令は、必ずしも対面で実施しなければならないものではありません。業務の内容を踏まえ、テレワークによっても必要な指揮命令をしながら業務遂行が可能かどうか、個別にご検討ください。

 ということなので、そもそも在宅テレワークに限らず、対面であろうとなかろうと、きちんと指揮命令ができる状況であれば、働く場所には制限は無いのである。そのため、当然のことながら派遣社員だからテレワークはさせられない」というのは全く理由にならないし、もしそういう見解を示す派遣先があれば、それは苦情を申し入れしてよい事案になるだろう。

他方で指揮命令者側からすれば、大きく以下の問題が生じるだろう。

  • どのようにして指揮命令をするか
  • どのようにして労務管理をするか

まず、指揮命令については別に口頭で指示することだけが指揮命令ではなく、このご時世、メール・電話・チャット等々、いくらでもやりようがあるので、これを使っての指示を指揮命令とすればよいだろう。きちんと法的な裏付けまで取ったわけではないが、派遣社員が自己判断せずに済むレベルまで指示を落とし込む、もしくは判断が必要な場合は派遣先の社員に指示を仰ぐように業務フローを構築すれば、問題なしと言えるのではないか。

問題は後者の労務管理側である。派遣社員に対する労務管理の責任主体は派遣先となるため、テレワーク中に明らかに職務放棄と言えるレベルでの労務不履行が無いか、逆に必要以上に働きすぎてしまってないかを管理する必要がある。先程の厚生労働省のFAQより

派遣労働者に対して自宅等でテレワークを実施させるときは、例えば、電話やメール等により、就業状況を確認することができる場合には、派遣労働者の自宅等まで巡回する必要はありません。

ということなので、労務管理といえども、わざわざ派遣社員の家まで行って状況確認なんぞする必要は無いし、なんかのニュースで話題になっていた「常時Webカメラで接続して状況を確認できるようにする」なんてことは(少なくとも法的には)不要ということである。実際、Webカメラ常時接続までして管理したい/されたい人なんていないと思うし、こんなのやってもただただ管理負荷が高まるだけのような気がするが…(そこまでしないと信用できないということなのだろうが…)

ただ、テレワーク中の動きが不透明になるのは確かなので、完全な性善説に立つのではなく、定点での連絡や、業務日報・アウトプットの提出等、業務形態に合わせて進捗/労務を把握できるような仕組み構築は必要であろう。ここでいわゆるジョブ型の働き方みたいな話も出たりすることがあるが、派遣社員は業務委託(請負契約)とは異なり、"労働量"を派遣する契約であり、成果物のコミットはせず、XX時からXX時までこれだけの労働量をこなしました、という働き方が前提となるため、「期日守ってモノ作ってるんだから、後は空いてる時間で何しててもいいでしょ」ということは契約上は通用しない。そういう意味では、ジョブ型の考えは適用できず、派遣先において一定の労務管理をしていく必要があるだろう。

日本はコロナの感染状況が収束してきているとは言え、潜在的な感染リスクが無くなったわけではない。それなのに朝の電車もだいぶ混雑してきており、まだまだ不安を抱える人も多いだろう。そういったメンタルケアという意味でも、派遣社員にテレワークをさせられる環境作りをしていくことが求められる。その他、派遣契約の見直しなど必要となるが、厚生労働省のFAQを見るとそのあたりも後付で適用していくことができるため、取り急ぎ目先の推進を派遣元・派遣先で強調して進めていき、正式な契約の見直しは落ち着いたタイミングで後追いしていけば問題ないだろう。

 

以上、いろいろ書いたが、派遣法や人事に関する専門家ではないため、法と照らし合わせて問題ないかというところの確証は全くなく、あくまで個人的な見解である。