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【2020年】6月22日:ノーコードソフトウェア開発にIT知識は不要?、接触確認アプリの有用性は発揮されるか

この試みもなんやかんやで1ヶ月続いてしまった。PV稼ぐようなコンテンツではないが、それを目的としているわけではないので、これを期待する人は少ないだろうが続けていく。今日はIT関連。

 

「ノーコード」、知識なくてもソフト開発

www.nikkei.com

日経新聞のこの記事はまったくITのことがわからない人向けにも書かないといけないため、ソースコードのことを「ソフトウエアの設計情報」という注釈を入れているが、違和感極まりない表現である…。ソフトウェアの設計というよりは実装そのものだと思うのだが、、、。

一旦言葉の定義についてはおいておくとして、ソフトウェア開発においては当然のことながらプログラミングが前提となる。しかし、頑張ってコーディングしなくても、GUIベースでポチポチするだけで、専門的な知識を持った技術者がいなくても、ソフトウェアの開発ができる便利な世の中になりました的なことをこの記事では言いたいらしい。

が、この手のGUIベースでソフトウェア開発ができるような開発環境は、少なくとも自分が新人だった10年前にはすでに存在しており(もう10年前なのか…)、別に今になって出てきた技術ではない。また、自分も新人時代にこの手のソフトを使って開発をしたことがあるが、結局、微調整をしたり凝ったことをやろうとするとソースコードから追わざるを得ないことを実感した。まぁ初学者が何もないところからプログラミングするより、ある程度GUIベースでグラフィカルに追える状態でソースコード読むほうがとっつきやすいのは間違いないか…。

 

接触確認アプリ、公開1日で179万ダウンロード 厚労省

www.nikkei.com

とうとう接触確認アプリがリリースされた。すでに過去にこの経緯については取り上げたが改めておさらいすると、元々小規模の民間企業に開発を委託しており、5月上旬頃にある程度完成をしていたが、グーグルとアップルが開発したブルートゥースをONにしていても消費電力を極小化する規格を表明したためこれを使うよう仕様変更が発生。その上、「こんな影響力の大きいアプリ開発を小規模の民間企業に任せて良いのか」と政府内部で声があがり、別の開発ベンダに開発を委託しなおすという、完全なる手戻りが発生し、あれよあれよで結局リリースは6月19日となってしまった。ということだったのだが、これにあたっては有志によるOSSでの開発をしており、ボランティア精神でプロジェクトを立ち上げて進めていったものの、バグがあると分かるやいなや批判にさらされるというとても悲しい状況になっているようだ…。これについての詳細は自分の知るところでは無いので、その手の記事に任せる。

このアプリの効果を出すためには6割以上のインストールが必要といわれているが、これはLINEの普及率に迫る数字である。いくら厚生省によるアプリとはいえ、世間的にコロナも落ち着いてきているし、個人情報の扱いで食わず嫌いしている層もいるだろうから、6割の普及率に達するのは難しいだろう。中にはLINEはインストールしてるくせに厚生省アプリの個人情報の扱いを恐れるようなトンチンカンも一定数いることだろう。こういった状況で6割以上の普及は、韓国のようにアプリインストールを強制化するくらいのことをしてやっと達成できるような数字だと思われる。事実、シンガポールでは各個人の任意のインストールにしたところ3~4割程度の普及率で、あまり統計的な数値として効果が出てないという状況である。

ただ、このアプリ自体は思ったより良い印象だ。かなり設計はシンプルで、一通りの利用規約的なやつを同意したあと、一度Bluetoothの設定してしまえばあとは基本的に放置。凝った設定等はおこなえないが別にする必要も無いだろう。これくらい割り切ってシンプルな設計にしたのは素直に評価に値するであろう。あれこれいろんな機能を盛り込んでリッチにすることが必ずしもソフトウェア品質ではない。不要な機能は落としてその分シンプルで使いやすいUIにするとか、動作を軽くしてバッテリーを消費させないということも、大事な非機能要件である。

いくつか初期リリースに伴うバグがあったようだが、どれも些細なバグだと個人的には思う。別に重要な個人情報が抜き取られたり、端末に甚大な影響を及ぼすものではない。アプリケーションの品質について日本人は過剰なレベルで要求するというのは、昔からよく言われていることであり(少なくとも自分が新人のときには言われていた)、今になってもこの考え方は日本人の風習から抜けきらないようだ。それが日本の品質だということでもあるのだろうが、もう少し、トライ・アンド・エラーを許容する風潮になってほしいものだ。