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ファーマ-フレンチの3ファクターモデル をわかりやすく整理してみた。

証券アナリストの二次試験に向けて勉強を開始!とするといきなり物騒な概念が出てくる。「ファーマ-フレンチの3ファクターモデル」だ。どうもこれは1993年頃にできたものらしく、そう考えると概念としてかなり新しい。そのためか、ググってもわかりやすく解説されているようなサイトが見つからない。

というわけで、自分なりに整理してみた。

CAPMのおさらい

まずはCAPMの式を見てみる。 

 E(R_{i}) = R_{f} + \beta_{i} [ E(R_{M}) - R_{f} ] \cdots (1)

 E(R_{i}):あるリスク資産iに対するリターンの期待値
 R_{f}:リスクフリーレート
 \beta_{i}:市場全体に対するリスク資産iの感応度
 E(R_{M}) :マーケットポートフォリオの期待リターン

これが成立するにあたっては以下の前提が必要であった。

  1. 全ての投資家は平均分散分析によりポートフォリオを選択する。
  2. 全ての投資家は全ての金融資産の収益率の平均と分散について同一の予想を持つ。
  3. 金融市場が完全市場である。
  4. 無リスク資産が存在する。

 一般的に、パッシブファンド(インデックスファンド)における運用は、この前提に基づいており、投資信託におけるウン十年の歴史において、長期的に見た時にアクティブファンドの運用成績がインデックスファンドにほとんど勝てていないということを鑑みると、シンプルなモデルでありながらかなり的を射ている。

シングルファクターモデル

ただし、先述の 1~4の前提というのは当然現実世界では起こり得ず、幾分、現実の乖離が発生する。CAPMにおける等式は期待値なので、そのCAPMが成り立たないことで、"実績"として期待リターンを上回ったり、下回ったりすることがあるわけで、それは以下のように表せられる。

 R_{i} = \alpha_{i} +  [ \underline { R_{f} + \beta_{i} ( R_{M} - R_{f} )} ]  + \epsilon_{i}  \cdots (2)

下線部はまさにCAPMの式の右辺に対する実績値である。つまり、あるリスク資産iにおけるリターン R_{i}CAPMモデルにより示されるリターンに対して、\alphaだけ高く(\alphaがマイナスであれば低く)なることを示している。なお、\epsilon_{i}は誤差項と呼ばれ、特定の資産や状況に依らず、偶然的に決まる値である。

この時の\alphaをジェンセンのαというのであり、アクティブファンドにおけるファンドマネージャーの腕の良さを示す指標となる。

マルチファクターモデル

 さて、CAPMの式は市場ポートフォリオ(マーケット全体)の動きに対して、どれだけ比例的に影響するか(=β)を表しているわけだが、もう少し細分化・精緻化したい。つまり、マーケット全体としてのリターンだけではなく、それ以外の何らかの理由も考慮することで、最終的にその投資資産iにおけるリターンを推定する。その何らかの理由というのが例えば金利だったり、為替だったり、雇用統計だったり、切り口としては色々定義ができる。

これを一般化して書こうとすると以下になる。

 R_{i} = \alpha_{i} + \beta_{1i}f_{1} + \beta_{2i}f_{2} + \beta_{3i}f_{3}  +  \cdots + \beta_{ni}f_{n} + \epsilon_{i}  \cdots (3)

(2)式において、( R_{M} - R_{f} )と書いていたところをまとめてf_{i}として、あとはそれが色んな観点においてある感応度 \beta_{i}に回帰することを示している。例えば\beta_{1}金利の感応度とすれば、f_{1}金利の変動であり、金利の上昇・下降に\beta_{1}の感応度を乗じることで、投資資産iのリターンを説明することができる。

統計的に言えばR_{i}を目的変数とする重回帰分析で、f_{i}が説明変数、それに対する \beta_{i}が係数である。

ファーマ-フレンチの3ファクターモデル

 ここまでくれば、あとは(3)式についてどういうリスクファクター(統計的に言えば説明変数)を置いたか、という話だけとなる。ファーマ-フレンチの3ファクターモデルでは、CAPMでも用いた市場ポートフォリオのリスクプレミアムに加えて、企業規模(時価総額)に関するリスクファクター、簿価時価比率に関するリスクファクターを用いたマルチファクターモデルとなっている。

 R_{i} - R_{f} = \alpha_{i} + \beta_{i,MKT}(R_{M}-R_{f}) + \beta_{i,SMB}SMB +    \beta_{i,HML}HML + \epsilon_{i}  \cdots (4)

 右辺第一項はマーケットに対するリスクファクター(マーケットリスクプレミアム)とその感応度βであるため、CAPMと同等である。

第二項のSMBというのはSmall Minus Bigの略で、規模が小さい(時価総額が小さい)ポートフォリオの平均リターンから、規模が大きい(時価総額が大きい)ポートフォリオの平均リターンを引く。なぜこのようなことをするかというと、一般的に規模が小さい会社の方がリターンが大きくなるという経験則に基づいている。

小型株効果|証券用語解説集|野村證券

同様にして、第三項のHMLはHigh Minus LowでBPR(株価純資産倍率の逆数)が高いポートフォリオの平均リターンから低いポートフォリオの平均リターンを引く。これも同様にして、純資産に対して株価が低い(割安)の方がリターンが大きくなるという経験則に基づいている。

バリュー効果 | みずほ証券 ファイナンス用語集

第四項の\epsilon_{i}は誤差項なので省略。

 これらをリスクファクターすることで、重回帰分析するのがファーマ-フレンチの3ファクターモデルである。重回帰分析については数学的な話になるのでここでは詳細は割愛する。パフォーマンス測定においてはやはり、この結果に対してそれを上回るαを叩き出せるか、という観点になるのである。

具体的な例

工事中。後日実際のデータをもとに書き出してみる。

 

 

参考サイト

Fama-French 3ファクターモデル | みずほ証券 ファイナンス用語集

大学で教える株式投資論