一生旅行生活してえ

最近は主に資格取得関連のメモとか勉強法とかを整理

所得控除について整理してみた。

色々ある所得控除を整理してみた。住民税からの税額控除や、贈与税相続税からの控除についてはここでは記載しない。

一般社団法人金融財政事情研究会ファイナンシャルプランニング過去問題利用許諾済
2021月7月29日許諾番号2107K000003号

物的控除

雑損控除

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等に受けられる所得控除。以下の損害原因の場合に適用される。
(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
(3) 害虫などの生物による異常な災害
(4) 盗難
(5) 横領
なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられない。

対象資産は「生活に通常必要となる資産」となる。逆に生活に通常必要とならない資産、具体的には別荘など趣味、娯楽目的で所有する不動産、30万円以上の貴金属類や骨董品、ゴルフ会員権、被災した事業用資産などは対象とならない。

控除金額は次の二つのうちいずれか多い方の金額となる。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

差し引き損失額は、「損害金額+災害関連支出の金額-保険などで充填される金額」となる。なお、災害関連支出の金額とは災害を受けた家屋の取壊し費用や除去費用など、現状復旧にあたってかかった費用である。

例えば、総所得金額が500万円、災害による損害金額が80万円、災害復旧のための家屋除去費用が20万円、保険が30万円とすると、上記式は

(1) 80万円+20万円-30万円-500万円*10%=20万円
(2) 20万円-5万円=15万円

となり、(1)のほうが大きいため、控除金額は20万円となる。

医療費控除

支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる控除。控除される金額は以下の通りで、最高で200万円までが控除できる。

実際に支払った医療費の合計額-保険などで充填される金額-10万円もしくは総所得金額等の5%

医療費控除の対象となる医療費は以下の通り。

1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価
3 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価
4 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価
5 助産師による分べんの介助の対価
6 介護保険等制度で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額
7 診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれない。

健康診断や人間ドックは治療行為ではないため、医療費控除の対象とはならないが、検査結果で重大な疾病が見つかり治療を行った場合は、医療費控除対象となる。合わせて美容目的の整形手術や海外旅行の予防接種なども対象とはならない。

例えば、ある年の入院にかかった費用が40万円、病院までの交通費(バス代)が1万円、差額ベット代が4万円、人間ドック費8万円(ただし重大な疾病は発見されず)、保険金支払いが15万円とした場合、受けられる医療費控除額は、40万円+1万円-15万円-10万円=16万円となる。

また、医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制がある。健康の保持増進及び疾病の予防への取組として、スイッチOTC医薬品を購入費の合計額(保険金等により補填される部分の金額を除く。)のうち、1万2千円を超える部分の金額(8万8千円を限度)を控除額とすることができる。一定の健康診査や予防接種などを行っていることが条件で、通常の医療費控除との選択となる。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について

社会保険料控除

支払った社会保険料に対する控除。対象は「健康保険」「国民健康保険」「厚生年金」「国民年金」「介護保険」「後期高齢者医療保険」など。自分自身の社会保険料だけではなく、生計を一(いつ)にする家族の社会保険料も対象となる。

控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額が対象となる。

小規模企業共済等掛金控除

納税者が小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に受けられる控除。

1.小規模企業共済契約の掛金
2.確定拠出年金の掛金(企業型年金加入者掛金・個人型年金加入者掛金)
3.心身障害者扶養共済制度の掛金

なお、小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための、積み立てによる退職金制度のことである。

生命保険料控除

納税者が生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合に受けられる控除。最高4万円まで控除が可能。

地震保険料控除

納税者が地震保険料を支払った場合に受けられる控除。最高5万円まで控除が可能。

寄付金控除

納税者が特定寄附金を支払った場合、そのうち2千円を超える額を控除できる。ふるさと納税制度はこの控除を利用している。

なお、ふるさと納税においてワンストップ特例制度を使うことで、確定申告を行わずとも控除を受けることが可能となる。また、通常の寄附金控除では、確定申告することで寄附した年分の所得税の還付と翌年度分の個人住民税の減額を受けることになるが、ふるさと納税ワンストップ特例では、所得税の控除は発生せずふるさと納税を行った翌年の6月以降の住民税の減額により寄附金控除を受けることになる。

人的控除

配偶者控除

控除対象配偶者を有する場合に受けられる控除。対象となる配偶者は以下の通り。

(1) 民法の規定による配偶者(内縁関係の人は対象外)で、納税者と生計を一にしていること。
(2) 年間の合計所得金額が48万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(3) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

なお、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられない。また、具体的な控除額は、所得金額が900万円以下、900万円超~950万円以下、950万円超~1000万円以下によって変動する。

配偶者特別控除

配偶者に48万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合がある。なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできない。条件は以下の通り。

(1) 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。
(2) 配偶者が、次の要件全てに当てはまること。
 イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は対象外)
 ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。
 ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
 ニ 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下であること。
(3) 配偶者が、配偶者特別控除を適用していないこと。

基礎控除

確定申告や年末調整において所得税額の計算をする場合に、(金額以外で)無条件で差し引くことができる控除。具体的には以下の通り。

納税者本人の合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円