一生旅行生活してえ

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証券アナリスト合格体験記 ~2次試験の勉強法や対策など~

一次試験開始から2年超の歳月を経て無事合格した証券アナリスト。特にスクールなどには通わず独学で合格に至ることができた。ここに至るまでを記載していこうと思う。なお1次試験については以下参照。

 

s-tkmt.hatenablog.com 

動機

そもそもなぜ証券アナリストなる資格を取ろうとしたのか。

本職はIT系企業なのだが、主に金融機関を相手にしたソリューションの提供をしているため、仕事にあたっては金融系知識が割と求められる。というか下手するとIT系の知識よりそっちの知識のほうが求められる場合も多いくらいである。

そういった中、自社においても証券アナリスト保有者はちらほら存在し、自分も取ってみようかなぁと軽い気持ちで受講を申し込んだのがきっかけである。

これに受かったからと言って、会社からなにか報奨がもらえたり、昇格につながるものではないが、個人的には金や出世目当てで勉強しているわけではないのでそのあたりは全く問題ない。実際、勉強していく中で経済や世の中の動きについてどんどん視野が広がっていく実感が湧き、目先の金銭以上の価値を得ることができたと思う。それなりにマニアックな内容でもあるので万人には勧めないが…。

難易度

さて、その証券アナリストという試験がどの程度のレベルの試験であろうか。

実は正答率としては5割強ほど問題が解ければ良く、その上合格率も50%弱程度と、この数字だけ見ると一般的な資格試験としては通りやすいようにも思える。しかし、以下の前提を見落としては行けない。

  • 科目数が多い
    →例えば一次試験だけで経済分析、財務分析、証券分析の3科目。それぞれの試験時間は60分、60分、180分。分割して受験は可能だが、絶対的な量が多い。二次試験は午前210分、午後210分の合計420分をぶっ通しでしかも科目合格無し。
  • 高校~大学初等レベルの数学が必要
    微分積分線形代数・確率統計。目先の問題を解くだけであれば高校レベルの知識でも可能だが、きちんと理解するなら大学初等レベルは欲しい。
  • 周りの受験生レベルが高い
    →上記の数学力に加えて、それなりの金融機関やそれ相応の会社に勤務できる地力がある人が受けている。合格者名簿は公開されておりそこに所属名も記載されているのでご参照。(このページの最下部付近)
  • 一次試験、二次試験で別れており、合格するには最低でも2年ほど期間を要する長丁場で、一定のモチベーション維持が必要。

上記より、それなりに難しい資格であると言えるだろう。とは言うものの、きちんと抑えるところ抑えればきちんと受かる試験ではあるので、難しいながらも決して無理な資格ではない。働きながらでも現実的に取れる資格であるのは間違いないであろう。 

参考書

TACの過去問のみ。他にも買った本が無いわけではないが、ほとんど読むことなく、事実上参考になっていないので略。

しかもこれを最新版ではなく、少し古い2015~2017年の3年分の過去問集を購入した。このちょい古い過去問を何度も解き、ある程度傾向や解法が見えてから、2018~2020年の直近三年分を協会のWebサイトからダウンロードして解く形とした。

また、以下のように自分なりに用語を整理することを今回は実施した。

証券アナリスト用語集 - 一生旅行生活してえ

二次試験においては語句の説明など記述を要する問題があるため、様々な用語や概念を自分の言葉で説明できる必要がある。とはいえ、紙のノートにまとめるのはめんどくさすぎるので、ブログに記載する形とした。結果、3万字ほどのボリュームとなり、少々やりすぎ感はあったものの、アウトプットして理解するには良い機会であった。

 そして他のサイトとかでは否定されがちな協会から送られる小難しいテキストだが、二次試験においては案外これが役に立つ。確かに難しいのだが、無理に全部を理解する必要は無い、というか普通の人が全部理解するのは非現実的である。大事なのは、試験でよく問われる単語・概念でありながらググっても全然出てこないものについてはここに答えがあるのだ。ググっても出てこないレベルなのでそこらへんの本にも載ってなかったり曖昧な説明だったりするのだが、さすが協会テキストなだけあって詳細にきちんと説明しているのである。当然、これをベースに問題は出題されるので、試験の答えとしても整合する記載内容になっている。なんだ、よくわからない参考書なんぞ買わなくて良いのだ。

あと、直接的な証券アナリストの参考書ではないが、t検定など、確率・統計分野の基礎としてはやはり以下の本が役に立つ。今回も改めてこの本をもとに統計を復習した。

 

戦略

目標点数設定について

二次試験においては、大きく以下の構成・点数配分となっている。

  • 証券分析:210点
  • 財務分析:90点
  • 経済:60点
  • 職業倫理:60点
  • 合計:420点

そして合格点としては50%以上、つまり210点以上取れば合格できると一般的に言われている。もともとの内容がそれなりに難しいものの、半分取れれば受かるのだ

もっというと、職業倫理についてはある程度勉強すれば誰でも高得点が確約される内容である。ここで50点ほど取ってしまえば、最悪他の分野は5割弱の得点率でも済むのである。なお、職業倫理については一定以下の点数だと足切りで不合格になるのだが、そんな足切り関係なしに得点源となる以上ここを抑えるのが定石であろう。

これを踏まえて、以下の目標点数を掲げた。

  • 証券分析:100点 
  • 財務分析:50点 
  • 経済:30点 
  • 職業倫理:50点 
  • 合計:230点(54.7%)

50%ギリギリを狙うのはさすがに怖いので、ある程度のバッファは持たせたい。これくらいの点数を目安にして、当日苦手分野が出ても50%は確保できる、という点数を狙うことにした。

勉強計画について

二次試験は確かに難しい。しかし、かといってあんまり前から準備するのはモチベーションが持たず、案外勢いも大事だったりする。(これは他の資格試験でも同じことが言えるが…。)というわけで、自分は以下のようなざっくりスケジュール感ですすめることとした。

  • 2022年2月:証券アナリスト2次試験勉強開始。とりあえずTACの過去問を1週
  • 2022年3~4月:TACの過去問(2015年~2017年)を解きつつ、理解が浅い単語や頻出する概念をブログの用語集にて加筆。ここでTAC過去問を合計3~4週くらい実施。
  • 2022年5月:直近3年分(2018年~2020年)の過去問を解く。合わせて職業倫理についてはこのあたりから着手。実践を意識して1回目は答えをすぐに見ずに力量を確認しながらすすめ、その翌週は復習するサイクルで推進。合格率が辛すぎた2019年以外は5割強の得点ができる手応えがあった。

上記より、2月~5月の丸4ヶ月間を費やした。厳密な勉強時間を測っているわけではないが、土日であわせて7~8時間くらい、平日は仕事の状況によるが、週で1~2時間程度といったところである。そうすると月あたり40時間程度で、これを4ヶ月やったので合計160時間ほど費やしただろうか。そう思うと結構費やしたなぁ。緊急事態宣言やらなんやらで土日が暇だったので、勉強するのにちょうどよかったとも言えよう。 

試験当日

会場到着

さて、到着早々本人確認書類を忘れたことに気づく。

普段財布を持ち歩かず、PASMO+社員証を入れているカードケースで済ませているため、そのノリで会場まで来てしまった。本人確認書類にあたっては公的証明書である必要があるため、免許証やパスポートである必要がある。

しかし、受付にて相談したところ、社員証(顔写真付き)+クレジットカード(※PASMO一体型)でOKということでなんとか本人確認書類問題を回避!こんなところで1年を棒に振ることはしたくない。

そして試験会場に入室。このご時世において会場はまさに密!一応緊急事態宣言中のはずなのだが…。

ただ、驚いたのはこの手の資格試験において欠席者がほとんどいないこと。情報処理技術者試験とかは3割くらい欠席しているイメージがあるが、今回の証券アナリスト二次試験はほぼ満席であった。おそらく全体で百席ほどに対して空き(欠席)は数席程度である。

午前

さっそく午前問題から開始である。

初っ端の職業倫理問題にて若干癖のある問題はあったものの、全体としては概ね問題なく回答できた感触。そのあとも基本的には例年通りか、下手すると若干例年より易化している感触を受けた。最後の経済の問題が過去傾向と大きく異なり完全にくせ者であったが、こういうのは他の受験者も解けないのであまり気にしてはいけない。

残り時間20分ほどでなんとかやりきり軽く見直し。完全な空欄は2~3問ほどで、それ以外は何らかの記述をすることができた。記述問題がどこまで得点入るか不明だが、自分なりに試算したところ、午前で135点ほど得点している見込みであった。これであれば午後で80点くらい取れれば理屈上は合格である。

午後

この午後問題が奇問・難問の連続であった。経済分野は過去傾向には出てきてない分野で、大問まるごと捨てるレベル。それ以外のある程度オーソドックスな問題になんとか食らい付くが、全体的に難易度は高めな感触。そして朝から数時間にわたって試験を解いているうちに朦朧としてくる意識…。

とりあえず残り時間60分くらいで一通りの問題を解き終えた。解き終えたというか、諦めた問題もちらほらあるが…。ここまで来ると頭が全然回らなくなってきたので、見直ししつつ休憩しつつ、誤字などを修正。得点を試算したところ110点ほどであったが、頭が回ってない状態での回答もあるので、問題によっては勘違いなどしていると思われる。となるとちょっと低めにみて90点くらいの得点率であろうか…。多少低めに見ても午前と合わせて半分の210点は超えているか…。

そして受験後にTwitter等で検索してみると、やはり午後は自分以外も苦戦しているようであった。ある意味みんなができてないのであれば、相対評価的には問題ないということでもある。この試験の合格基準でどこまで相対性が汲み取られるかは不明だが。

試験結果

午後問題に非常に不安があったものの、午前と合わせれば合格点には行っていると信じ続けて2ヶ月。とうとう合格発表の時が来て、結果は無事合格! 

一次試験を1科目ずつ慎重に受けてきたこともあるが、以下の通り、一度も落とすことなくストレートで二次試験合格にたどり着くことができた。優秀な人は一次試験を1回でまとめて合格するのだろうが、自分としてはこれで十分である。

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 苦しい思いもしたが、なんやかんやで勉強していて楽しかったので、今後もこの心を忘れずに自己研鑽に励んでいきたい。ただでさえ働いている中での自己研鑽なんぞ大変なのだから、せめて自分が楽しいと思える勉強をしていきたいものである。