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最近は主に資格取得関連のメモとか勉強法とかを整理

資産運用を考え始めた人へ その1 ~はじめに~

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証券アナリストの資格を取り、経済や金融の勉強をしてきた中で、自分なりに資産運用について色んな考えがまとまってきました。ここにおいて、それらを一度整理し、自分の資産形成を考え始めた人に向けての記事を書いてみようと思います。

ここで述べる話は「この株を買えば即大儲け!」と言った博打的な投資ではなく、経済学や金融工学の考え方を元にして、中長期的に(10年、20年というスパンで)資産を適切に運用するにはどうするべきかを述べます。経済学とかファイナンスというと難しく感じますが、そのあたりは初学者にとっても平易に理解できるよう整理したつもりです。

ただ、記事がそれなりのボリュームになってしまったため、全6回に分けて記載をしていこうと思います。

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はじめに

老後を暮らすには2000万円必要という老後2000万円問題や、コロナ後の世界的な低金利政策により爆上がった株価、ネット証券の台頭および証券会社間での売買手数料の低下、そういったところから日本において証券口座の開設が急増しています。

しかし、他方で証券口座の開設は増えているけど、投資人口は大して増えてないというレポートもあり、きちんと資産運用ができているかは怪しい実態でもあります。

「コロナで巣ごもり投資が増えた」は本当か? |2021年 | データで読み解く金融ビジネスの潮流 | 野村総合研究所(NRI)

とりわけ日本ではバブルという黒歴史を抱えているため、どうしても株式などといった投資はギャンブルかのように捉えてしまい、資産(動産)の大半は預貯金として眠らせてしまっている状況ではないでしょうか。このあと改めて理屈は説明しますが、株式市場はゼロサムではなくプラスサム、つまり誰かが儲かれば誰かが損をするということではなく、みんなが儲かり続けることが前提となっており、資産運用をギャンブルのように考えてしまうのは誤った考えです。(もちろん、ギャンブルのような投資をしたければできますが…)

とはいえ、残念ながら日本はバブル崩壊、失われた20年、就職氷河期リーマンショック東日本大震災と、なかなか経済の復興に至ることができず、その上少子高齢化で人口は減少していくことが見えており、バブル崩壊から30年経った今ようやっと日経平均株価が一時期3万円台まで回復したという状況で、とてもですがこれがプラスサムのようには見えません。この状況において、あえて株式を始めとしたリスク資産への投資をしようとするのは確かに前向きにはなれないでしょう。

また、株式を始めとした証券用語は普段日常では用いない独特の単語も多く、そういったところも抵抗感を生み出している要因の1つであるでしょう。という自分も、いわゆるデイトレーダーのような日々チャートをチェックして売買を繰り返すような人たちが扱うような単語や考えは正直ほとんどわかっておりません。しかし、資産運用において、そういった短期的なトレーディングでの結果を求めるのは一部のプロやテクニカルな人たちで、我々のような一般人は10年、20年といった長いスパンで長期的に考えていくことを前提とした資産形成をしていくことになります。

ここではこのような長期的な運用を前提に、世界の経済成長を鑑みた投資戦略を元にして、どういう資産形成をするべきかを述べていきます。そのため、具体的な個別銘柄の良し悪しを述べたり、今はこれが買い!というように扇動することが目的ではありません。また、最終的にどういう資産運用をしていくかはみなさん次第となります。

老後2000万円問題

さて、ここで老後2000万円問題についておさらいしておきましょう。

2019年、金融庁から衝撃の報告書が出たということでマスコミが騒ぎました。「老後生きていくには年金では足りず、2000万円必要となる。」という記事です。

www.nikkei.com

このレポートにより「2000万円なんて大金無いわ!」「年金だけでは生活できないの!?」と、日本中が大騒ぎ。ただ、なんというか、個人的なことを言わせてもらえれば老後にどれくらい資金が必要となるかなんて、支出と収入の見込みを計算すればわかると思いますし、公的年金だけで安心して老後も暮らせるよう国が面倒見てくれるなんて考えが甘いんじゃないのと思ってしまいますが…。

また、このレポートを読んでもらえば分かる通り、以下の前提となっております。

・高齢夫婦での2人世帯での生活

・毎月の支出は28万円程度で、年金だけだと毎月5万円が不足する。(→年60万円不足)

・65歳で退職したとして、そこから最大30年生きる。(→30年×60万円=1,800万円不足)

なので節約が得意で「毎月20万円あれば生活できる!」であればそもそもこの問題は発生しないわけですが、そうは言ったって何が起こる変わらない世の中、老後に向けて資金を貯めておくということ自体は必要なことでしょう。

その2は経済学の考え方に基づいてどういう資産運用をしていくかを述べていきます。以下からご参照ください。

s-tkmt.hatenablog.com