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資産運用を考え始めた人へ その4 ~具体的な投資方法について~

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その3では投資信託について述べました。その4では具体的な投資方法について記載します。ただし、最初(その1)にて述べたとおり、この記事は特定の銘柄や商品を勧める目的では無いので、具体的に何を買いましょうといったことは言及しません。ここで記載した考え方を元に、最終的に自分で判断して投資をすることが大事になります。

戻ってその3,その2、その1を読みたい場合は、以下を参照してください。

 

s-tkmt.hatenablog.com

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インデックスファンドVSアクティブファンド

インデックスファンドへの投資意義

さて、その3で述べたとおり、インデックスファンドというのは単に指数と同じ動きに連動させるだけのファンドです。それであれば、わざわざそんなファンドに投資しないでアクティブファンドに投資するべきなのでは?と思うかもしれませんが、そうではありません

まず、インデックスファンドの思想は「経済全体(市場)の成長」に対する投資となります。つまり最初の方で述べたとおり、経済は成長し続けることを前提とすれば、個別の株式に投資しなくても、経済全体(市場)に対する投資をしていけば必然的にプラスサムとして資産も成長していくことになります。

加えて、経済全体(市場)に投資することが、最適な投資比率での投資となります

これはどういうことかというと、いろんな銘柄に分散投資するに当たって、もし自分が投資家であれば、どういう銘柄をたくさん投資して、どういう銘柄を控えめにするでしょうか?シンプルに考えれば「イケイケでどんどん成長している会社(銘柄)にたくさん投資して、ジリ貧で今にもつぶれそうでやばい会社(銘柄)はなるべく投資しない」ということになるかと思います。実はこれをそのまま表しているのは経済全体(市場)そのものとなります。つまり、イケイケな会社はそれだけ業績向上が期待できるため株価もそれに応じてどんどん上がっていき、市場全体に占める割合が多くなります。他方でやばい会社は業績不振に伴い株価がどんどん下がるので、結果的に市場全体に占める割合が少なくなります。その結果、市場全体に対して投資することが、結果的にイケイケの会社にたくさん投資して、やばい会社への投資を控えている状態(=つまり、最適な投資比率)となっているのです。(※これを専門的な用語で市場ポートフォリオといいます。正確には株だけではなく債券や不動産等ありとあらゆる資産を投資対象とすることが前提となりますが、ここでは説明のために株式のみに絞ります。)

以上のことから、インデックスファンドに投資するという行為は、経済成長を前提とした市場全体への投資、そしてそれが最適な投資比率での投資となっているのです。(※このあたりを理論化したモデルをCAPMと言います。詳細を知りたい方はCAPMでググってみてください。)

勝てないアクティブファンド

さて、他方でアクティブファンドの方ですが、このインデックスファンドのパフォーマンスを上回るようにいろんな分析手法を駆使しまくっているにも関わらず、インデックスファンドに勝てていないものがざらにあります。というより、長期的に見た場合、世の中のアクティブファンドの大半はインデックスファンドに勝てていません。 その上、アクティブ運用をするに当たって様々な調査コストや人員コストが発生してしまい、その結果、パフォーマンスとしてはインデックスファンドを超える数値をうまく出せても、それに伴う手数料(信託報酬)まで鑑みると単に指数と連動させるだけのインデックスファンドにほとんど勝ててない、というのが投資信託数十年の歴史における事実です。

<参考>

金融庁が毎年発表している「資産運用業高度化プログレスレポート」という報告書があり、2020年版についてはそのあたりが実際のデータとともに述べられております。

「資産運用業高度化プログレスレポート2020」の公表について:金融庁

詳細はここでは割愛しますが、P10を見ていただくと、多くのアクティブァンドがパッシブ平均(インデックスファンドの平均)を下回っていることが伺えます。ここで注意していただきたいのは、先程「大半は勝ててない」と言ったにも関わらず、このレポートでは半分くらいは勝てているように見えるところです。さっき言ったことは嘘かよ!と言われてしまいそうですが、そうではありません。色々理由はありますが大きく2つ説明します。

まず1つ目は、思ったようなパフォーマンスが出せなくなったしまったアクティブファンドというのはいずれ償還(終了)されてしまい、今生き残っているのはそのような中で生き残れたファンドであるためです。

そしてもう1つ目は期間の問題です。うまくパフォーマンスが出せて生き残れたファンドであっても、それを20年30年という長期スパンではやはりインデックスファンドに勝つのが難しいのです。ただ、上記レポートではそこまでの期間を計測していないため、たまたまここ数年で見た結果にすぎないということです。

どういうファンドに投資をすべきか

経済成長と市場の選定

このあたりになってくると具体的な話になります。今までの話を踏まえると以下の通り。

1.経済(市場)は人口が増え続ける限り成長する

2.市場全体を構成銘柄としたインデックスは最適な投資割合となる

3.そのインデックスに連動するファンドが長期的に見て高いパフォーマンスとなっている。

ここまで来ると人口が増えている市場を対象としたインデックス(指数)に連動するファンドが投資対象となるでしょう。

では人口が増えている市場というのは具体的にどこでしょう?

まず、地球規模で言えば、世界全体です。つまり、世界全体の市場を指数としたインデックスファンドというのは一つの選択肢になると思います。ですが、さすがにこれは範囲が広すぎますので、もう少し絞りたいところ。

地域別に言えば、例えばインドなんかは人口が爆発的に増えている国であることは間違いないでしょう。ただ、他方でまだまだ経済的には未熟で、これから大きく伸びる可能性は秘めている国でしょうが、人口が多くても適切な経済活動が行えているかはまた別問題になっていきます。せっかく多くの人口を抱えていても、建設的な経済活動が行えてなければ大きな成長が期待できません。インドであれば根強く残るカースト制度を前提とした経済格差・所得格差があり、もし、一部の高所得者層だけ得するような歪んた経済となってしまえば国としての成長は期待できません。

つまり、これらを踏まえると人口が増えつつ、ある程度適切な経済活動ができる土台のある国・地域を対象とするのが良さそうです。我が国日本の場合だと後者は問題ないでしょうが、前者がお先真っ暗であるのは周知のとおりです。

これらを満たす国のうち、最も典型的なのはアメリとなります。結局アメリカになるのかよ!と、結論でいうと非常に当たり前な結果となっておりましたが、1人あたり平均年収700万円ほどの豊かさを3億人規模の人口で回しているというのはやはりとんでもないことです。そして日本とは異なり、鈍りつつあるものの人口は増加しております。もちろん、貧富の差が激しいと言った問題はありますが、投資の対象としてみたときには魅力的な市場に映るのは間違いないでしょう。

とはいえこれはあくまで1つの考え方に基づいた結果となります。当然インドだって素晴らしい国で、ここの成長を狙って投資することがダメということではありませんし、それに米国が良いと言っても、米国一辺倒で偏った投資をしてしまうのも考えものです。そして日本を否定するような書き方をしてしまいましたが、そうは言っても世界的には経済大国。下手によくわからない国に投資するよりは、適度に安全性を求めるのであれば、十分に選ぶ理由はあるでしょう。

※これらを検討する上でシャープレシオという指標があります。分散に対してどれほどのリターンが期待できるかという数値で、この数値が高いほど効率が良い(=上下のブレ幅が少ない割に高い収益が期待できる)状態となります。最初は意味不明だと思いますが、実際にいろんなファンドを見ていく中で慣れてきたら抑えておくべき指標となります。

投資の仕方

では、いざ投資をするときには、どのタイミングで行えばよいでしょうか?一般的には安い時に買って高い時に売ると簡単にはいいますが、いつが買い時かはそう簡単にわかるものではありません。

そこで1つの考え方としては、積立による投資を行うことです。

積立NISAといった制度があったり、まずは少額でコツコツ積み立てよう!といった話を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これは単に投資がしやすいからというだけの理由ではありません。実はこのようにして投資するのが、ある意味最も効率の良い買い方になるためです。

例えば毎月1万円をある株式の購入として積み立てたとします。
4月にその株式は200円だった場合、1万円だと50株分購入ができます。
5月にその株式が値上がりして400円だった場合、1万円だと25株分購入ができます。

つまり、これは何をしているかというと、株価が安いときにいっぱい買って、高いときにはなるべく買わない状態となっています。よく株式の話になると「少しでも得するために、安いタイミングを狙って買うにはどうすればいいんだ?」といったことが言われたりしますが、実はそんな難しいタイミングを狙わなくても、定額の積立をすることでその状態を実現できているのです。これをドルコスト平均法と言います。

もっというとこれは時間に対する分散投資となっています。分散投資は先程述べたとおり、1つの銘柄に1点集中するのではなく、いろんな銘柄・資産に分散することでリスクを低減させる手法ですが、時間に対する分散投資がこのドルコスト平均法となります

あとは毎月なり毎週なりどれくらいの金額を積み立てるか、というのはその人のお財布事情とリスクに対する許容度合いによる話になります。それなりにお金に余裕があって、リスクを取ってでも積極的に資産を増やしていきたいという人であれば、当然その分だけ多く投資に回すことになるでしょう。

そのため投資においては、株価の上下に囚われず、どんな状況であってもほったらかしにしてコツコツ積み立てるのが、長期的に見た時に一番勝てる方法だとも言われております。

その4は以上です。続いてその5は昨今流行りのESG投資について述べます。以下からご参照ください。

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