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贈与税について整理してみた。

FP1級の贈与税について整理してみる。

一般社団法人金融財政事情研究会ファイナンシャルプランニング過去問題利用許諾済
2021月7月29日許諾番号2107K000003号

贈与税の概要

贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金である。会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかからないが、所得税がかかる。相続税と同様に、受け取る側が支払う税金となる。

贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができる。

暦年課税

概要

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかる。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかからず、贈与税の申告も不要となる

なお、1年間に複数の人から贈与を受けた場合、贈与税は贈与された財産の合計額から基礎控除110万円を控除して計算する。人数分暦年課税枠が増えるわけではない

課税の計算は、以下の通り。

贈与税額=(贈与財産額-控除額(110万円) )×税率-控除額

一般贈与財産と特例贈与財産

税率や控除額は一般贈与財産と特例贈与財産で値が異なる。

一般贈与財産:特例贈与財産以外の財産
特例贈与財産:祖父母や父母などの直系尊属から、20歳以上の子・孫などへの贈与

詳細な数値については早見表が与えられるため、そちらを参照。

もし、一般贈与財産と特例贈与財産それぞれに該当する贈与を受けた場合は、受け取った財産比率に応じて按分を行う。具体的には、従兄弟から100万円の贈与、父から400万円の贈与を受けた場合は以下のように計算する。

1.暦年課税による非課税分を控除:100万円+400万円-110万円=390万円

2.すべて一般贈与財産とみなして課税計算:390万円*20%-25万円=53万円
 →このうち、一般贈与財産分を按分:53万円×100万円/(100万円+400万円)=10.6万円

3.すべて特例贈与財産とみなして課税計算:390万円*15%-10万円=48.5万円
 →このうち、特例贈与財産分を按分:48.5万円×400万円/(100万円+400万円)=38.8万円

4.納税額は上記を合計して:10.6万円+38.8万円=49.4万円 となる。

相続時精算課税制度

概要

「相続時精算課税」を選択した贈与者ごとにその年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額から2,500万円の特別控除額を控除した残額に対して贈与税がかかる制度。贈与税の額は、その残額に対して一律20%の税率を乗じて算出する。

また、前年以前にこの特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となる。

なお、一度この制度を選択すると暦年課税へ変更することはできない。

相続時精算課税制度の名前の通り、贈与者が死亡したときには相続時の財産との精算を行う。つまり、2500万円の控除というのはあくまで贈与時での節税であって、トータルでみれば財産に税がかかることになる。

課税価格は、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と、相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出する。

適用対象者

贈与者:60歳以上の父母または祖父母
受贈者:贈与があった年の1月1日時点で20歳以上の推定相続人である子または20歳以上の孫

なお、贈与者ごと、受贈者ごとに選択が可能となる。つまり、父母それぞれの贈与に対して相続時精算課税制度を適用し、合計5000万円分の特別控除を適用することが可能である。

適用手続き

相続時精算課税選択届書を提出期限(原則として贈与の年の翌年3月15日)までに税務署へ提出する必要がある。この制度を選択した後の贈与トータルが2500万円に届かず、贈与税の課税対象にならない場合でも、期限内に申告しておく必要がある。

なお、養子縁組を解消し、養子だった人が養親の推定相続人ではなくなった後も、制度は適用され続ける。養子縁組解消後に元の養親から何回贈与を受けても、そのトータルが2500万円に達するまでは、贈与税の課税対象とはされない。

税額の計算

■繰越をする場合

2019年に父(67歳)から現金2000万円、2020年に株式1000万円について贈与を受けた場合は以下の通り。

2019年の納付すべき贈与税額は、2000万円ー2000万円=0円 (2500万円の控除のうち2000万円分を適用)
2020年の納付すべき贈与税額は、(1000万円ー500万)×20%=100万円 (2000万円分の控除は2019年で使ったので、残りの500万円分を控除)

■贈与者が死亡した場合の税額控除

贈与者が死亡した場合には、相続時精算課税制度を選択した財産はすべて相続税に加算して計算をする。また、すでに支払った贈与税がある場合には相続税額からその分を控除し、相続税額よりも支払った贈与税額のほうが多い場合は還付する。

上記例を流用すると、100万円贈与税を納付しているが、その後に贈与者が死亡した場合、贈与した現金2000万円+株式1000万円の合計3000万円分を相続税財産として相続税の計算を行う。

その結果、相続税が400万円と算出された場合、すでに支払い済みの贈与税を控除して、400万円ー100万円=300万円が相続税として納付する金額となる。

他方、相続税が60万円と算出された場合は、60万円ー100万円=▲40万円が還付されることとなる。  

課税財産

みなし贈与財産

現金や有価証券などは当然贈与財産となるが、生命保険金などで贈与とみなされる場合がある。具体的には以下のようなパターン。

・生命保険金など:保険料を負担していない人が受け取った保険金や満期受取金など。
・低額譲受:著しく低い価額で財産を譲り受けた場合の、時価と実際に払った金額との差額。例えば1億の土地を100万円で購入した場合、9900万円がみなし贈与となる。
・債務の免除・引受:債務免除を受けたり、借金の肩代わりをしてもらった場合などはみなし贈与となる。

配偶者控除

贈与財産のうち2000万円までの部分について贈与税が非課税になる制度。結婚20年以上の夫婦の間で自宅など居住用の不動産やその購入のための金銭を贈与した場合に適用ができる。基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるため、合計2110万円の控除となる。

条件としては以下の通り。

(1) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと
(2) 配偶者から贈与された財産が、 居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した 居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

なお、この控除は繰越が効かないので、贈与額が2000万円未満であっても、その年の計算にしか適用されない。加えて、計算した結果、納税額が0円になったとしても贈与税の申告は必要となる。

また、配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができない。

店舗兼住宅の贈与について

店舗兼住宅のように、専ら居住の用に供する部分と居住以外の用に供する部分とがある家屋とその敷地の贈与があった場合でも、居住の用に供されている部分については、贈与税配偶者控除の適用を受けることができる。もっというと、その場合、居住の用に供されている部分を優先して贈与税を計算する。

例えば、50%が店舗、50%が居住用の5000万円分の不動産について30%分の持ち分贈与を受けた場合、すべて居住用部分を贈与されたとして計算を行う。

そのため、取得価額:5000万円×30%=1500万円 と計算し、
ここから配偶者控除すると、1500万円-1500万円=0円 (1500万円<2000万円) となり、贈与税がかからずに済む。

他方、同じ不動産について、60%分の持ち分に対して贈与を受けた場合は、

取得価額:5000万円×60%=3000万円 に対して、
控除額:5000万円×50%=2500万円→2000万円 (2500万円>2000万円) と、あくまで居住分だけに適用する。

その結果、控除後の贈与額は3000万円-2000万円=1000万円となる。(最終的にはここから暦年課税の非課税分(110万円)を控除する。)

非課税制度

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、一定条件のもと、贈与税が非課税となる。

■適用条件

・贈与者:直系尊属
・受贈者:贈与した年の1月1日時点で20歳以上で、所得が2000万円以下の人。

・床面積が50㎡以上240㎡以下であること。
・床面積の1/2以上が居住用であること。
・耐火建築物の場合は築25年以内、耐火建築物以外の場合は築20年以内であること。
・贈与を受けた年の翌3月15日までに居住すること。

受贈者ごとの非課税限度額は、2020年4月1日~2021年12月31日の間に購入した住宅について、省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円が非課税分となる。また、暦年課税(年額110万円)および相続時精算課税制度(2500万円)のいずれかと併用することも可能。

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

2013年4月1日から2023年3月31日までに、直系尊属から30歳未満の者への教育資金の贈与について、受贈者1人につき1,500万円(学校等以外に払い出す金額は500万円)を限度として贈与税が非課税になる制度。

非課税となる対象は以下の通り。

(1) 学校等に対して直接支払われる次のような金銭
 1 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費又は入学(園)試験の検定料など
 2 学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など

(2) 学校等以外の者に対して直接支払われる次のような金銭で教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるもの。
 3 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など
 4 スポーツ(水泳、野球など)又は文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための活動に係る指導への対価など
 5 3の役務の提供又は4の指導で使用する物品の購入に要する金銭
 6 2に充てるための金銭であって、学生等の全部又は大部分が支払うべきものと学校等が認めたもの
 7 通学定期券代、留学のための渡航費などの交通費

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税

2015年4月1日から2023年3月31日までに、直系尊属から20歳以上50歳未満の者への結婚・子育て用の贈与について、受贈者1人につき1,000万円(結婚関係での贈与については500万円)を限度として贈与税が非課税になる制度。

非課税となる対象は以下の通り。

(1) 結婚に際して支払う次のような金銭(300万円が限度)
 1 挙式費用、衣装代等の婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
 2 家賃、敷金等の新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

(2) 妊娠、出産及び育児に要する次のような金銭
 3 不妊治療・妊婦健診に要する費用
 4 分べん費等・産後ケアに要する費用
 5 子の医療費、幼稚園・保育所等の保育料(ベビーシッター代を含む)

贈与税の納付

 贈与税の申告と納税は、原則、財産をもらった人が、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までに行う。 

延納と物納

概要

贈与税もほかの税金と同じく金銭で一時に納めるのが原則となる。しかし、一度に多額の納税をすることが難しい場合には、延納で納付することも可能となる。

延納を受けるための要件

延納を受けるには、次の三つのすべてに当てはまることが必要となる。

1.申告による納付税額が10万円を超えていること
2.金銭で一度に納めることが難しい理由があること
3.担保を提供すること

ただし、延納税額が100万円以下で延納期間が3年以下の場合、担保は必要は無い。

延納するための手続

延納しようとする贈与税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して所轄税務署長に提出することが必要となる。

物納

相続税には物納があるが、贈与税には物納が無い。そもそも物納しないといけないような状況であれば、はじめから贈与を受けなければいいだけだからである。相続は自分の意思と関係なく発生するため、物納も認められている。