一生旅行生活してえ

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財務分析におけるキャッシュフローの考え方

とにかく自分が苦手としているというか、よくわかっていないのがキャッシュフロー周り。営業キャッシュフローの式とか全く覚える気になれないのだが、そうもいってられないので一度整理してみようと思う。なお、ここでは間接法を用いた記載で統一する。

営業活動によるキャッシュフロー

まず、営業活動によるキャッシュフロー(営業キャッシュフロー)は、営業活動つまりその会社の本業の経済活動においてどれだけのキャッシュフローが発生したかを示す指標となる。

営業キャッシュフロー

 =1.当期純利益+2.減価償却費-3.売上債権-4.棚卸資産+5.仕入債務

 はいー、もうここでギブアップ。意味が不明である。と言いたいところだがそこで終わってしまっては意味がないので、頑張って食らいついてみる。1~5の項目について1つずつ記載していきたい。

1.当期純利益

これはわかりやすい。当期これだけ利益が出ましたよ、ということはそんだけ現金流入しましたよということを表す。と、言いたいところなのだが、そこから以下の項目について差し引きすることで本当の正しいキャッシュフローを追うのである。

2.減価償却

プラス計上する理由については、過去にEBITDAについての考え方にて記載したとおり。再掲となるがここにも記載する。本章にて営業キャッシュフローについての説明をしたいのに、以下引用部では営業キャッシュフローが前提となった説明になってしまっているのはご了承。

ここで疑問になるのが、営業利益はその会社が本業で稼げる利益だが、これに減価償却費を加えているのはなぜか?である。ここで、EBITDAは利益を表す数値というより、キャッシュフローを表す数値という理解をしたほうがしっくりくる。つまり、減価償却費は単に会計の数字上帳尻を合わせるための費用なだけで、実際には現金異動(キャッシュフロー)は発生しない。したがって、減価償却費を差し戻してやることで、本来の稼げるキャッシュフローを表すということである。

極端な具体例で示すと、例えば100億円の設備投資をしてこれを10年で定額償却すると、1年辺り10億の減価償却費が発生する。このとき、ある年にて売上総利益で40億円出ていたとしても、営業利益では減価償却費が差し引かれて30億の利益となってしまう。でも、実際には10億円を支払っているわけではないので、営業利益として稼ぐ力(営業キャッシュフロー)は40億円分あるよね、という考え方である。

EBITDA倍率の考え方 - 一生旅行生活してえ

3.売上債権

 売上立っているんだからプラスなんじゃねーの?と思ってしまうのだが、売上"債権"なので、まだキャッシュは動いていない状態である。つまり、売掛金は計上しているけどまだ回収していない、受取手形をもらったけどまだ現金化していない、という状態である。そのため、キャッシュフローとしては資金流入がおきていないと考えるため、マイナスで計上する。

※逆に売上債権が減ればキャッシュフローとしてはプラス要因として働く。

4.棚卸資産

 棚卸資産は要は在庫である。これも資産として増えるならプラス計上なんじゃねーの?と思ってしまうのだが、やはりここもキャッシュフロー計算書である以上、キャッシュで考える必要がある。

在庫を抱える→本来売れるべきものが売れてない→本来流入してほしい資金が流入できていない

という状態であり、資産としては増えていても、キャッシュとしてはマイナス要因と考えるため、マイナスで計上する。

※逆に棚卸資産が減ればキャッシュフローとしてはプラス要因として働く。

5.仕入債務

 これは売上債権と逆の考え方をする。つまり仕入れをするにあたって、買掛金の状態・支払手形の状態であれば、やはりキャッシュとしてはまだ動いていない。そのため仕入れたけどキャッシュフローとしては資金流出が起きていないと考えるため、プラスとして計上する。

運転資本の増減

上記以外にも営業キャッシュフローの増減要因となる項目はいくつかあるのだが、一旦はここまでで良いだろう。補足として、時折試験にも出てくる、「運転資本の増減が営業キャッシュフローにどう効いてくるか」ということについて記載すると、運転資本の定義は以下の通りである。

運転資本=売上債権+棚卸資産仕入債務 

運転資本の詳細な意味合いについては欄外参照。*1

あとは式変形で、営業キャッシュフローの計算式は運転資本を用いて表すと以下のようになる。

営業キャッシュフロー=当期利益+減価償却費-運転資本

 つまり、「運転資本」として見た場合はマイナス要因として働くことになる。

投資活動によるキャッシュフロー

続いて投資活動によるキャッシュフローである。定義としては、投資活動によって生じたキャッシュフローを表す。と言ってしまうと全く説明になっていないのだが、事業成長のための設備投資だったり、いわゆる資産運用的な意味での投資両方においての投資活動で生じるキャッシュフローだと思えば良い。

前者の方は有形固定資産・無形固定資産の取得・売却が該当し、後者は有価証券の購入・売却が該当するであろう。そのため、投資活動によるキャッシュフローに含まれる項目は以下の通りとなる。

有形固定資産及び無形固定資産の取得(売却)による支出(収入)
有価証券及び投資有価証券の取得(売却)による支出(収入)
貸付け(貸付金の回収)による支出(収入)
定期預金の預け入れ・引き出し

 営業キャッシュフローのように、売掛金の増加はキャッシュフローとしてはマイナス計上…のように逆に考えることはしなくよい。素直に、取得すればキャッシュは減るし売却すればキャッシュは増えるので、素直にそのまま足し引きすれば良い。面白いのは現金同等物に含まれない定期預金の預け入れ・引き出しも投資活動よるキャッシュ・フローに含まれるということだ。理由は正直よくわかっていない。(証券アナリストの試験としても出ないだろう。)

財務活動によるキャッシュフロー

これは企業活動における資金調達やその返済に生じたキャッシュフローである。投資活動とごっちゃになってしまいそうだが、あくまで企業経営視点となるので、投資しているわけではなく、自社の資金調達としての債券発行や株式発行となる。それによって生じたキャッシュフローを計上する。具体的には以下の通り。

社債・CPの発行(償還)
長短期借り入れによる調達(返済)
株式の発行による収入
配当金の支払による支出
自己株式の取得による支出

 これについても特殊なマイナス計上の考慮は不要で、素直に金を借りればキャッシュは増えるし返せば減る、株式を発行すれば増えるし自己株式を取得すれば減る、とそのままの足し引きで良い。

 

フリーキャッシュフロー

 最後にフリーキャッシュフローについて記載する。フリーキャッシュフローは本業での稼ぎから生み出される営業キャッシュローから投資活動によるキャッシュフローを足した(※投資活動によるキャッシュフローは基本マイナスとなるので、事実上差し引いた)残額である。そのため式でいうと以下の通り。

フリーキャッシュフロー=営業活動によるキャッシュフロー+投資活動によるキャッシュフロー

 このフリーキャッシュフローがプラスであると企業としては自由に使える資金がある状態となり、一般的に望ましい状態となる。逆にここがマイナスであると資金繰りに行き詰まっている可能性を示唆する。といっても財務分析での観点としては単純にここがプラスだからいいかというとそうでは無く、例えばフリーキャッシュフローがプラスでも投資活動によるキャッシュフローがプラスだった場合、目先の資金がないため固定資産を売却したことでなんとか資金繰りをプラスにしているのかもしれないし、逆に企業が成長のためにどんどん投資していれば必然的にマイナスになるが、それは必要な赤字であろう。

なお、証券アナリストを勉強していく中では「株主に帰属するフリーキャッシュフロー」とかそれに対する配当割引モデルが云々という話が出てくるであろう。その時のフリーキャッシュフローはここで述べているフリーキャッシュフローとは定義が異なるので注意されたい。そのあたりの株主に帰属するキャッシュフローに関する話は別で取り上げるか、本章の続きとして追記していこうかと思う。

 

*1: 運転資本の意味するところは、売掛金が振り込まれるまでのつなぎ資金がどれくらいか、を表している。どういうことかというと、まず商売をする上では棚卸資産(在庫)からさばき、その後に仕入れた商品を売ることになるだろう。その一方で今後売っていくための仕入れも同時にしていかないといけない。この時、売掛金の回収と、今後売るための仕入れの代金支払までの間に期間ズレがあると、その空白期間どうやって凌ぐのか?という問題が生じる。つまり売掛金の回収より前に仕入れ代金支払がやってくる場合にそこの資金どうすんの?ということであり、そのあいだのしのぐ資金のことを運転資本という。