一生旅行生活してえ

最近は主に資格取得関連のメモとか勉強法とかを整理

FP1級学科試験を終えた合格体験記、勉強法、対策など

FP1級の学科試験を合格したのでその過程を記載します。主に自分の振り返りですが、勉強法など参考になれば。

一般社団法人金融財政事情研究会ファイナンシャルプランニング過去問題利用許諾済
2021月7月29日許諾番号2107K000003号

受けようと思ったきっかけ

証券アナリストを受験後、なるべく知識が残っているうちに関係のある資格を取ろうと思い、FP1級を目指すこととしました。FP試験において、金融・資産運用関連(要は証券アナリストの勉強とも被る範囲)は全体の20%くらいですが、それでもその部分をほぼ勉強せずに既存の知識でいけるというのは大きいです。

2021年6月に証券アナリスト2次試験を終え、そのまますぐFP1級試験の勉強を開始し、9月の試験突破を目標としました。

合格に向けた対策

このFP1級の学科試験(一次試験)は、午前の基礎、午後の応用で分かれています。

午前の基礎は4択問題オンリーでありながらめちゃくちゃ難しく、選択肢を1つ消すだけでもかなり苦労します、というか、選択肢が1つも消せずに結局勘で答えるのもザラです。他方で午後の応用は半分ほどが記述式の回答となるのですが、ある程度過去問通りの傾向があり、また答えが誤っていても計算過程で中間点を狙うことも可能です。

というわけで、この試験、午前(基礎)で5割、午後(応用)で7割を取ることが目安と言われており、それを目標として勉強を開始しました。ちなみにこの試験の合格率は10数%程度。難しいときは10%を下回るときもあります。なお、この合格率は欠席者や午前で諦めた人は含まれていません。午後まで受けた人の中での数値なので、まぁまぁな辛さですね…。

6月:勉強開始

まずは手をつけやすい午後(応用)から勉強を開始です。FPに限らずあらゆる試験に共通しますが、まず最初にやるべきは過去問で、最初にテキストを読む必要はありません。

当然、いきなり過去問やったって自力で解けないので、問題をみたらすぐ解答をみて、「ふーん、こんな感じで計算するんだ~」というのをなんとなく頭に入れます。それを3回分くらいやれば、「あれ、なんか見たことある問題だぞ?」とか「なんかこの単語、前にも出てきたな…」というのが見えてくるので、ここで初めてテキストを真面目に読んで、その計算の考え方や、単語の概念をインプットしてきます。

で、このあたりでだいたいどれくらい勉強していけば合格にたどり着けそうか、という感覚も掴んでいくのですが、想像以上にFP1級の壁の高さを痛感しました。どこぞのサイトとかでは「FP2級の2倍くらいの勉強時間が必要!」とか書かれていたりするのですが、それは違うと断言できます。FP2級の7倍くらい勉強が必要です。だてに合格率10%の試験じゃあありません。

自分の能力、1日に確保できる勉強時間などを鑑みると、合格に至るまで4~5ヶ月ほどは欲しい感触がしました。しかし、6月に勉強を開始して9月に試験、3ヶ月しか時間がありません。徐々に焦り始めます。

ちなみに、自分が得意とする金融資産運用分野については、FP1級においては他分野と比較して相対的には難しくないです。もちろん証券アナリストレベルの知識がある分に越したことは無いですが、この手の知識が薄い人でもある程度勉強すれば一定の点は取れる内容で、いうほどアドバンテージにはならない状態でした。うーむ。

7月:用語の整理

7月に入り、1ヶ月経過しましたが、相変わらず覚えきれない単語、慣れない用語に苦しみました。午前の基礎問題を解いてみても、そもそも問題文・選択肢が日本語として何を言っているかわからないという状態でした。例でいうとこんな感じの問題が出ます。

問.2020年度中に厚生年金保険の被保険者に支給される老齢厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。(2021年1月試験)

 

1.65歳未満の厚生年金保険の被保険者が支給を受ける特別支給の老齢厚生年金は、その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が28万円以下である場合、在職支給停止の仕組みによる調整はなく、全額が支給される。

2.65歳未満の厚生年金保険の被保険者が特別支給の老齢厚生年金の支給を受ける場合に、厚生年金保険の被保険者期間が44年以上あり、所定の要件を満たす配偶者を有するときは、在職支給停止の仕組みによる調整後の年金額に加給年金額が加算される。

3.65歳以上の厚生年金保険の被保険者が支給を受ける老齢厚生年金は、その者の総報酬月額相当額と基本月額との合計額が47万円以下である場合、在職支給停止の仕組みによる調整はなく、全額が支給される。

4.65歳以上の厚生年金保険の被保険者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職支給停止の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。

今でこそ分かりますが、この頃に私にもまったくもって意味不明でした。この問題を解くには、「厚生年金保険」「老齢厚生年金」「特別支給の老齢厚生年金」「報酬月額相当額」「基本月額」「加給年金」「在職支給停止」といった単語を理解してないといけません。ちなみにこのレベルで普通です。もっと難しい問題も当たり前のように出ます。

というわけで、自分なりにFP1級に関する用語をブログで整理し、なるべく自分の言葉で語れるようにし、まず問題文や選択肢を日本語として読めるようになることを目標としました。

FP1級用語集 - 一生旅行生活してえ

合わせて、午後問題についても、過去問を解くことでなんとなく計算の方法などはわかったものの、その根底となる考え方などをきちんと整理するため、こちらもさまざまな分野にわたってブログに記載しました。1つ1つの記事のリンクを貼ると数が多くなるので、タグ付けしてカテゴライズしています。

FP1級 カテゴリーの記事一覧 - 一生旅行生活してえ

これらの整理したものを、電車で読み返したりすることで、知識の定着に努めていきました。大事なのは自分整理して自分の言葉で語れるか、ということで、漫然とテキストを読むだけでは頭に入っていきません。

ちなみに自分が活用したテキストは以下です。こだわりがあって選んだのではなく、単にブックオフで昨年度版が安く売られていたから使っていました

法令改正モノが普通に出てくるFP1級試験においては、ケチって過去年度用の中古版を買うのはオススメしません。こればかりは後悔しました…。

8月上旬:スランプ

8月に入り2ヶ月経過しました。このあたりでようやく、午前の問題文や選択肢で言っていることが日本語として読めるようになってきました。とはいえ、そのレベルにすぎないので、過去問の午前問題を解いても4割いくかいかないか。午後の応用もたまたま簡単な回であれば7割近く得点できることもありましたが、ちょっとミスをしたり引っ掛けに騙されると、あれよあれよと失点してしまっていました。

このあたりで、なんだかやる気がいまいち起きない日々が続き、FPの勉強に限らず、仕事含めてモチベーションが低下している感じがしました。

自己分析をしてみると、試験日まで残り1ヶ月ほどで、確実に時間が迫っており、どうも無意識的にこのプレッシャーを感じていたようです。というわけで、「別に9月試験に受からなくたっていい、試験はまたいつでも受けられる」と気持ちを切り替えて、勉強も1週間くらいサボることで、なんとかメンタルを回復させました。たかが自己研鑽、士業のようにそれを生活の糧にするわけでもなく、自分がやりたい勉強をしていくコンセプトで追い込みすぎるのは良くないですね。

8月下旬:転機

そうは言ったって、当然サボっていて受かる試験ではありません。勉強を再開したものの、立ちはだかる1級の壁。覚えなければいけない細かな数字、巧妙なひっかけ問題…心が折れかけていたそんな中、このYou Tubeチャンネルに出会いました。

www.youtube.com

これが感銘でした。今まで自分が丸暗記でなんとかしていった各種事項が、あらためて年金制度や法令の考え方から説明されており、「おお、そういうことだったのか!」と目から鱗が落ちる思いで食い入りました。このチャンネルに出会ってから、仕事の行き帰りの電車や駅までの徒歩中はこの動画を常に見て(聞いて)、頭に叩き込んでいました。

これにより丸暗記していた事項も整理され、暗記のストレスがかなり軽減されました。さらに、今まで意味不明すぎた午前問題についても、その制度や背景から考えることで選択肢を1つ2つ絞れる思考力が身につきました。難問・奇問が頻出する午前問題にあたっては、その選択肢が1つ絞れるだけでもかなり優位に働きます。正直、このチャンネルに出会ってなければ落ちていたといっても過言ではないくらいお世話になりました。

9月:最後の追い込み

9月12日の試験当日に向けて、最後の追い込み期間として仕事はなるべく早帰りして、家もしくはそのまま会社のカフェで1~2時間ほど勉強するようにしました。飲酒も控え、最後の追い込みをかけました。(でも、ガールズプラネット999は見てました。)

ここまでやって、ようやっと午前が5割、午後が7割くらいの得点率で、なんとか合格点にたどり着けるかなという感触でした。

前日の土曜日はもう今さら新しいことも覚えられないので、午後応用問題を3年分ほど、引掛け部分や自分の苦手なところのみを復習して、夕方~夜はゆっくりと自分の時間を過ごしていました。

結局この3ヶ月で2017年1月から直近の2021年5月までの一通りの過去問題を3回ほど解きました。ちなみに過去問は以下のサイトを利用しました。無料でこんな情報が手に入る素晴らしい時代ですね。

FP1級ドットコム - 過去問題を徹底解説

1級FP過去問解説(2級と3級も解説中!)〜ファイナンシャルプランナー資格の過去問を無料解説〜

試験当日

試験は会場が近場だったこともあり、ゆっくり起きて会場に向かいました。

まずは午前試験。過去問と同じ選択肢が使い回されている問題が例年より多い感触で、過去問ベースで勉強する自分にはかなりありがたい状態でした。選択肢の絞り込みも、無理に文を読まずとも「あ、これ過去問で×だったやつだ」と、ほぼ考えることなく正解にたどり着けることもしばしば。一通り解き終わって期待値計算をしてみると、なんと64点。このレベルで午前で稼げればかなり楽になりますが、他方で午前がここまで過去問ベースとなると、午後が新傾向や奇問が出るのではないかという一抹の不安もありました。

とりあえず午前は思ったより簡単だったため、一通り見直ししたらさっさと退出。午後試験で集中力を保てるよう、昼は充分に休憩するようにしました。

そして午後試験開始。不動産で今までと大きく傾向が違う問題が出たり、税分野の穴埋めも過去問には見慣れないものがあったりしましたが、それ以外の計算問題は概ね過去問と同傾向で、計算問題部分に関する難易度はむしろやや簡単なくらいでした。

FPの問題の解答は当日中に掲載されるため、帰宅後に早速自己採点しました。午前は期待値通り64点、午後は配点が不明ではありますが70~75点ほどは得点できてる見込みで、合格点には十分達している手応えでした。

合格発表

まず、10/25(月)にネット上で成績発表がされます。とてもシンプルな画面で、受験番号を入力して照会すると、合否のみが表示されます。ここで、無事合格が表示されて一安心。

その数日後に、郵送で得点結果が届きました。

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上記の通りの結果でした。午前が64点なので、これを見るに午後は72点です。分野別でいうと、金融資産運用分野で荒稼ぎして、残りは概ね6割程度という感じですね。

なお、今回の全体の合格率は13.03%と、そこまで高くない数字でした。それなりに難しい試験とはいえ、個人的な感触としては15~16%くらいはあるんじゃないかなと思っていましたが、周りの反応などから察するに、午後の計算問題の部分点が厳し目に取られているようです。特に今回は計算部分は優しかったので、答えは合ってて当たり前という中で、途中過程をどこまで正確に書けるかがポイントだったのでしょう。

自分の感覚で4~5ヶ月かかるつもりでいましたが、なんとか無事3ヶ月で合格までもっていくことができました。もともと金融資産運用分野にアドバンテージがあったことと、YouTubeのほんださんのチャンネルを見つけられたことが大きかったと思います。

今後に向けて

FP1級試験は今まで受けた資格試験の中でも(短期間で詰め込んだので…)かなり辛い部類でしたが、社会保険分野や相続分野など今まで自分には全然携わりのなかった事項の理解がより深まりました。FP2級で色んなことを知った気になっていましたが、それでは全然浅いこと浅いこと…。そうはいっても、FP1級レベルでは社会保険労務士や税理士といったガチの人たちには到底敵いません。まだまだ上には上がいます。

次は実技試験(面接)を控えています。面接の方は80%ほどの合格率なので、気を抜かなければ通過できると思いますが油断は禁物。ただ、ここ最近はFP1級に注力しすぎていたため、しばらくは読みたい本を読んだりして、頭をリフレッシュさせようと思います。